北東北の観光に寄与しているメジャーな精霊に遠野(岩手県)の河童と男鹿(秋田県)のナマハゲがいる。そして全国的に人気のあった隠れ精霊として二戸(岩手県)の座敷わらしがいた。座敷わらしとは広辞苑によると「東北地方の旧家に住んでいると信じられている家神で、居なくなるとその家が衰える」とある。
「・・いた」というのは10月4日、その住んでいた築300年の有名な旅館が火事で焼けてしまったからだ。焼けたため居なくなったと思っていたが、ある人が「そうではない、居なくなったからこのようなことが起きた」のだと。確かに広辞苑の記述だとそうなる。泊まる人々に幸運を授け、40年近く旅館を支え3年先まで予約を満杯にしてきた座敷わらしの思いはどうだったのだろう?関係者の心配も座敷わらしの消息より今後の観光のことしか述べられていない。縄文街道甦生活動にとっても示唆となる出来事だ。