『「災い」を改めて考える(最終回)』
震災からもうすぐ8カ月が経とうとしている。津波被災地の人たちがいま一番恐れていること、それは「忘れられること」だと言う。津波被災地の復興の見通しや原発の臨界の危険そのものが解消した訳ではない。しかし、人々の関心はすでに津波から原発へ、そして自分の生活に直接かかわる放射能へと移りつつある。
「災い」の風化については何度か取り上げた。今回の石祠設置は、サイカチへの感謝とともに、大きな被災を受けなかった内陸部の者として、被災された方々への復興のささやかなエールと、「災い」を風化させないようにとの願いの一つの結論である。このテーマの更なる展開の構想はあるが、石祠が完成したことでとりあえずこのテーマの一区切りとしたい。復興と原発については今後の経過と情報を収集し、また改めてコメントしたいと考えている。