この季節東京辺りの緯度帯からは梅の便り、なのにこちらは冬真っ盛り(縄文街道四季暦ではこの「花冬」の違いを最も表現したかった)。そこで東京に戻ると「あちらは寒さが大変でしょう!」と同情される。全国の天気予報を見れば本州では常に最も低いので同情されてもしかたがない。しかし、日常の体感温度はよっぽど東京の方が寒いのである。こちらの生活は家と車のドアツウドア、コート一枚で山手線の吹きっさらしのホーム上で電車を待つことも、ビル風にあおられることもない。あの空っ風は何枚着ても寒い。ただ真冬は確かに長い。そこで冬を楽しむアイテムが薪ストーブであり、窓外の魔法の雪景色である。バッケや水芭蕉の春の息吹を夢見ながら過ごすこの季節が最も好きである。